コンクリート建築は、アマチュアでもできる!?
街角でよく、マンションやガレージなどのコンクリート建築現場を見かけることがある。 プロの職人たちが専門の道具を使って型枠を作り、ミキサー車が乗り付けて生コンを流し込み、気が付くと堅牢な建造物が出現するというあれだ。あればかりは素人には無理? いえいえ。ダンドリと、道具を理解すれば決して不可能なものではない。カッパドキ~アがその体験にもとづいて解説しましょう。
まず、基本の3つの道具を覚える 左から
①Pコン ②セパレータ ③フォームタイナット
どんな巨大なマンションも、基本はこの3つの「小道具」でくみ上げられている。では具体的にコンクリート建築、つまり型枠工事について解説しよう。
セパレータの両端にPコンをねじこんではめる。
型枠となるコンパネにあらかじめドリルで穴をあけておき、Pコンの外側のネジキリ部分を差し込む。
※このとき、コンパネにあける穴は2枚とも、同じ位置にあけておかないと、セパレーターを前後から挟めないので注意。
この要領でどんどんはめこんでいこう。
型枠となるコンパネを、図のようにセパレータとPコンを間にはさみ、コンパネの両側からフォームタイナットで締め付けて固定する。これが基本。
鉄筋を入れたら、あとは何箇所かにわたってこの作業をくりかえす。
セパレータの幅がすなわち、コンクリート壁の「肉厚」となるわけだ。
横部分など、全体に密閉作業を行う。密閉にはホームセンターで200円くらいで売っている、シリコーンシーラントなどが便利。
ちなみにカッパドキ~アでは壁面に丸いガラスブロックをはめ込むため、写真のようなガラスブロックと同径のポリバケツをはめこんでいる。コンクリートが硬化したらこのバケツは破壊して除去するのだ。
いよいよ打設(コンクリートを流し込むこと)開始。コンクリートの調合を行う。
ここはもう、力仕事以外のなにものでもない。
ちなみにコンクリートとは、セメントに砂と砂利を混ぜ込んだもの。セメントに混ぜ込むのが砂だけだと「モルタル」、セメントに何も混ぜず、水で溶いただけのものを「ノロ」あるいは「ノリ」などという。
セメント・砂・砂利の配合比率は俗に1:2:2や、1:2:4などとも書かれている場合があるが、例えばコンクリートミキサー車などの機械ではなく、人間がスコップ一丁で練り上げようという場合は、感覚的には1:2:2のほうがよいかもしれない。
砂利が多いと混ぜるのが非常に重く、人によっては体力的に生成できない場合もある。混ぜが弱いと流し込んだコンクリートの中に、セメントを含まない砂利のカタマリができてしまい、バラバラ剥がれ落ちる原因にもなる。
できあがりの「やわらかさ」は「ホイップクリーム」くらいの感覚がいい。水っぽいのは流し込んだあとに成分が分離してしまう。
あとはひたすら流し込む!
約1週間(モノによって硬化期間は異なる)くらい寝かせたら型枠をはずす。
型枠のはずしかた
まずはフォームタイナットを外し、コンパネを締め付けていたパイプを解体する。
コンパネをバリバリはがす!
コンクリート壁にくっついているPコンを、写真のような専用工具を使って取り除く。
アタッチメントをPコンに差し込み、
ハンドルをクルクルまわす
ポロッと取れるという寸法だ。
Pコンを取ったあとの穴に、ノリ(モルタルを水で溶いたもの)をつけて詰めコンを接着する。
外した直後はまだ水分が残っているので黒っぽいが、徐々に水分が抜け、白っぽい色に変わってくる。
完成!