DIYその41 【ブヨブヨした筐体】 やわらかいプラダンが細かく切り込まれ、硬く冷たいコンクリートに絡みついていく。 今にも風で飛び去りそうなその薄皮がいずれモルタルを含み、新しき大地へと時を刻んでいくとも知らずに・・・。 |
DIYその40 【開拓する筐体】 進化への欲望はどん欲だ。何かが、誰かが先鞭をつけたら最後、その先にあるはずの世界はすでに「権利」となり、そこに期待する人々が勝手に皮算用を始める。もう、あとには戻れないのだ。 実態より先に、契約があるものなのだ。 約束された路線に従うように、荒土に新しいコンクリートが立ち上がる。 |
DIYその39 【新秩序の具現化】 新しい高さ、最初は想像空間の中だけに存在していたものが、一定の手の動きと素材により、万人の認識するものとなっていく。 具現化には時間がかかる。が、内的創造にはさらに時間がかかる。いや、創造自体がうまく形になるかどうかも、非常に心もとない。 商業主義には決して乗らないこうした具現化作業。 しかしそれは止むことがない。荒れ地の雑草のように、性懲りもなく、また生えてくるのだ。 |
DIYその38 【新しき高さへの想像】 新しい高さへの道筋はわかっていても、その高さに立ってみなければ、その高さに立った発想は決してできない。 立ってから考える、ではなく、立ってみる。そこから見えた景色を見て、はじめてその先が見えてくる。 |
DIYその37 【うしろの土太郎】 階段がすでに4段を超えるようになってくると、階段斜面とは正反対の後ろ側が気になりだす。 5段を超えるとこちらサイドにもコンクリートが流れ出てくるのでどうやらこちら側にも新しい「何か」が始まる。 赤土の向うに、未だ空想のメリーゴーラウンドを回る |
DIYその36 【階段閉鎖】 古いストーリーと、古い人生のゴールが、新しいストーリーによって塞がれていく。逆らえない時の流れ。 だが、その高さはあまり変わらない。 幸せ、感動、喜びとは、カタチは変われど、 本質はなにも変わらないものなのである。 |
DIYその35 【エネルギーの壁】 冷たい壁にエネルギーの輝きが点灯するとき、漆黒を支配する新たなフロンティアが生まれる。 幾重にも巻かれた防水のシーラントが、自然の「ゆりもどし」からエネルギーを守る。 |
DIYその34 【飲み込まれゆく運命】 そこに、確かに存在した。形も、名前も持っていた。しかしそれは時の流れには逆らえない。忘れ去られていく。名前も、思い出す人すらいなくなってゆく。冷たいコンクリートの中に、その痕跡を残しながら・・・。 |
DIYその33 【配管はいかん】 階段の中に雨水の配管を通す。 ジョイントにジョイントを重ね、ピタゴラスが スイッチを入れそうな水流が生まれる。 やがて、すべてはコンクリートの中で眠りにつく。 |
DIYその32 【3段目】 3段目。流体から個体へ。そして、幾層にも重なる豆腐が、次元を上へ、上へと押し上げる。 |
DIYその31 【2段目】 2段目。親亀の背中に子亀が、そしてその上にまた、孫亀が乗っていくようである。この単調な作業がたまらない。 |
DIYその30 【リフトアップ】 壁と、壁の間ができた。隙間ができたら当然、そこに階段ができる。これは世の中の定説である。ひたすらに、ひたむきに、積み上がっていく。 |
DIYその29 【ひと皮むけて…】 木の躯の中で約3日かけて、新しい構造体が誕生する。子育てが終わった親のように、型枠は静かに子から離れ、消えていくのである。 |
DIYその28 【ザ・ウォール】 コンパネ2枚半分である。もうすっかりコンパネによる型枠作りには慣れた感がある。 そして、この型枠の中からいよいよ、実物大のぬりかべがその姿を現すのである。 |
DIYその27 【継ぎ足された青春】 コンパネ一枚分のコンクリートは意外にすぐ充填される。そうなったら継ぎ足しだ。人生は「見通しが見えてきたところで、継ぎ足す」というのがいいように思う。なぜなら最初からの計画通りに完了するものなどほとんどないからだ。 |
DIYその26 【魂注入】 また、この柔らかくて冷たい流動物が流し込まれ、地上より立ち登っていく。冷たい液体はやがて強靭な防護壁となる。 |
DIYその25 【立ち登るスチール】 世の中、誰かが何かを立ち上げると必ず「付属品」のように人が集まり、関係を持とうとする。 終日黙々と創造することなど不可能だ! 純粋なコンクリートだけでの存在など許されず、スチールの林、塩化ビニルの川、亜鉛の結束針金が分け入って、邪魔をする。しかしそれらなくしては機能を持たない構造物にしかならない。建築も人生と同じ。実に思い通りにいかない代物である。 |
DIYその24 【再び3次元へ…】 「森の見張り」の骨格をなす、もう一方の階段立ち上げのための擁壁が立ち上がり始めた。 もはやすっかり「カッパドキ~ア」のお家芸となったコンクリート型枠工事の技術が採用される。 |
DIYその23 【Stairs】 南の階段が天についたとき、北の擁壁が「パアアアッ!」とこだまする。 新たな旋律のト音記号が打たれた。 頭上には米軍輸送機の轟音が轟く。 |
DIYその22 【天使の階段】 頂上までの階段が完成。これが「森の見張り」の底面部分を形成することになる。 がしかし、現状これだけをみても何かの遺跡か何かにしか見えないところが痛いところだが。 これで第一期工事は終了。3年近くを要した、地面のベトン化作業は完成し、いよいよ上モノ、一番絵になる工程へと入っていくのだ。 |
DIYその21 【登頂ヤホウ】 とうとう段差の頂上部分まで到達したようだ。しかしこの階段作りは単調で、まるでこのグレイの階段のような精神状態になるのだった。 |
DIYその20 【リフト上昇】 型枠はさらに区画を上に積み、コンクリートを充填。あと2段といったところだろうか。 |
DIYその19 【チェストリフト】 型枠にコンクリートを充填。固まったら型枠を組み、また充填。この単調な繰り返しにくじけそうになりながらも、徐々に「森の見張り」の1階部分が姿を現してくる。 |
DIYその18 【浮上する大地】 高さ20センチの型枠を、まるでおふろの湯船のようにコンクリートが埋めていく。いよいよグラウンドゼロからの浮上が開始された。 |
DIYその17 【枠に囚われない生き方】 段ボールによって取られた型に沿って、木枠のふちどりが行われる。 ジグゾーによって凹凸がつけられ、キューブ木材を補強することで垂直を得る。というわけで、いよいよ高さ20センチの立体へと進化を始めるための準備は整いつつある。 |
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DIYその16 【重力戦線】 土の制圧と同時進行で、このコンクリートドダイの上の構造物作成準備に入っている。 2年にわたり地面を這いつくばって来たがここへきていよいよ、重力に逆らって高層へと伸びる建築がスタートする。 複雑な凹凸を読み込むダンボールが、次のステップへのキーワードとなる。 |
DIYその15 【百鬼からの解放】 100ミリ四方の空間であっても、数十平方メートルもの雑草を勃興させる「土」というもの。不可思議な有機体の営みが家屋を覆い尽くし、原始の姿に戻そうと襲いかかる。この力を制圧した記念すべき瞬間が今、訪れた。 |
DIYその14 【コンクリートに銀の靴】 コンクリートに制圧された最後の自然空間。しかし、ここから新しい生命の物語が始まることをまだ誰も知らない。 |
DIYその13 【フロントライン】 土を掘り、平坦にし、割栗石を敷き詰め、コンクリート打設をする。わずか2メートルにこの4工程が凝縮されている。支配者が自然から人間へ移行される儀式が、ゆっくりと、しかし確実に南へ向かっている。 |
DIYその12 【ドダイ延長】 と、思ったのもつかの間、どうせなら建設予定地の土台を全舗装することに。エジプトのピラミッドを建造する人たちの気持ちがよくわかる、そんな単純作業よ再び。 飽きずに頑張るモチベーションが切れる寸前のカッパドキ~アであった。 |
DIYその11 【ドダイ完成】 なんだかんだと結局一年近くを要したドダイのベトンが完成。 ダンプが通ってもビクともしなくなった基礎を得て、いよいよ上物の建築に取りかかる。 例によって、寒い季節を前に本格始動とは泣けてくる。 |
DIYその10 【50センチの夏】 天候不順の夏の影響か、カッパドキ~ア工兵も夏風邪で倒れるものが相次いだ。細々と続く舗装作業はさらに50センチ前進する。 |
DIYその9 【さらば雑草】 週に50平方センチずつ前進し続けているドダイだが、そうこうしているうちに夏場に突入してきた。例年だとうっそうとした雑草の処理に追われていたところが今は草木も生えない。 コンクリートの城として、いよいよ近代化を感じて満足顔。しかしいつになったら建物本体の建設に入れるのやら。。。 |
DIYその8 【長い友との始まりに】 3ヶ月で舗装しきれると思っていた基礎工事もそろそろ半年。ただただコンクリートが拡張していくだけの画面を垂れ流している今日この頃ではある。 いつになったら「森の見張り」本体の工事が始まるんだろう。。。 だが、明けない夜はない。こういう展開になった以上、どうだろう。地面を友として、しばらく舗装工事一本でいってみるというのもまた一興であろう。 |
DIYその7 【季節は変わり舗装進まず】 とにかくとにかくとにかく進まない。ドーシテデスカ? と思わず外人口調になってしまうのも無理からぬところだ。この2週間で新劇した距離は40センチ。 前途多難なり。これではいつ上物に着手できることやら。。。 |
DIYその6 【進軍は春の夜風に】 とにかく進まない。最近「アリ塚はガウディの香り」建築に手を取られていることもあるが、それにしても進みが遅い。ビジュアル的にも退屈きわまりない。 毎週土曜日に必ず犬の散歩ついでに訪れる老紳士に「最近、お進みになってませんね」と言われてしまった。あいたたたた。 なにしろ砂と砂利の運搬で半日。それが一瞬でなくなるのだから参ったものである。しかし、モルタル業者頼みではなくスコップ一本でこねあげてこそ、味わいも出るというものである。 |
DIYその5 【コンクリート無限大】 本格的にコンクリートのベタ基礎を拡大展開中。 袋入り250円の砂利、砂がまたたくまに消費されていく。 砂利・砂合わせて10袋でも50センチしか前進しないのには驚愕した。一体どれくらいの物資が必要なのだろう。 沼地に足を踏み込んでしまったような感じだ。 どこが川やら道さえしれず。 |
DIYその4 【配管工事はニュートンの調べ】 割栗石で地面を覆い、付き固めた上でコンクリートを張って行く。いずれはこのコンクリートに飲み込まれ、永遠に見ることもなくなるだろう塩ビ管は今が見納めである。 間違っても雨水が逆流することのないよう、すべての配管は水平計によって傾斜が確保されなければならない。たった5ミリの違いが命取り。万有引力の法則には逆らえないのである。 |
DIYその3 【ノズルサブウェイ】 土を掘り返すとそこには雨水が大量に流れ込み、一時この地区は池と化した。コンクリートの土台を作る前に、こうした雨水を人工的に排水するシステムを設置していく。「ピタゴラスイッチ」のようでなかなか味わい深い作業である 」 |
DIYその2 【荒涼山脈】 土壌の悪い土地に「森の見張り」建設用地は割り当てられた。まずは上物の前に基礎工事をしなければならない。 基礎工事の工程を今回「ドダイMM」と命名し、磐石な土台を作ることにしよう。 それにしても、土というのは掘ってみると「かさ」が増える。ちょっと掘っただけですぐバケツ一杯である。掘って、地ならしして、割栗石をつめて固め、コンクリートで舗装する。かなりの大仕事になりそうである。 |
DIYその1 【運動する設計図】 新アクト「森の見張り」のスタートである。 完成イメージをスケッチしたが、今回はおそらく、実際の完成イメージはこのスケッチとはかなり異なったものになってくるかもしれない。 「作りながら、完成イメージが変化していく建築物」というコンセプトを併せ持っているのが今回の「森の見張り」アクトの特徴ということができるだろう。 とはいえ、この曲がりくねったコンクリートの塊を建築するにはかなりしっかりした土台が必要となってこよう。 しばらくは地味な地盤整備、そして徐々にその全貌をあらわにしていくことになるだろう。 請うご期待。 |