在来工法の、あの柱だらけの壁をくりぬいて、部屋側と廊下側それぞれに開口部を持つ「リバーシブル本棚」を作っちゃおうかな、というお話である。
在来工法の壁の典型のような、茶色い柱がむきだしになる壁面。壁で10センチ。そこから本棚を置いて40センチ。壁と本棚の隙間に3センチ。結局部屋は43センチほど部屋の空間を圧迫してしまう。
そこで、在来工法の特徴である「柱と柱の中の壁はブチ抜いても大丈夫である」というのを利用し、この壁の幅を本棚にしてしまうことで、実質的に40センチの奥行きがありながら30センチしか占有しないという、そんな本棚を考えてみた。
さらに、廊下側にも何段か本がおけるスペースを作ることで「両面本棚」にしてしまおうというわけである。
以前、壁をブチぬいて引き戸をはめこんでいた一間分の壁を本棚化してみよう。
まずは引き戸を撤去する。
引き戸を撤去したところで本棚の資材を搬入。ホームセンターでふつうに売っている2×4材を、コンプレッサーで白く塗装したものだ。
この組み合わせはいい。2×4材のザラついた表面は塗料をガッチリつかみ、決してはがれおちることはないのだ。
これがこの「リバーシブル本棚」の真骨頂だ!
在来工法の柱部分にあたる約10センチの幅に本来来るはずの壁はなく、かわりに本棚が食い込む!
この空間が「文庫本専用棚」を「バイクヘルメットまで置ける万能ラック」に昇格させる重要なポイントとなるのだ。
底板を入れたところで、背板を立てていく。
背板は2枚重ねとし、間にサンドイッチのように防音材を挟み込む。これで、壁がなくなっても「ベニヤ一枚で部屋の音が漏れまくり」ということはない。
背板パーツの長さ・幅に合わせて防音材をカットしていく。ふつうのハサミでチョキチョキ切れるんだね、防音材って。
1段目完成。
さあどんどん積み上げていこう!
と、ここで1日目は深夜になってしまった。バリ島から購入してきたライトなんぞをつけてみる。おお、なかなかイイ感じだぞ。
翌日、再び作業開始。2段目も同じ手順で組み上げていく。
さて2段目だが、ここで「リバーシブル本棚」を実践する部分を作成する。
この段背板を、柱の奥ではなく、手前側に置く。
こうすることで、壁をはさんで部屋側、廊下側それぞれに本棚ができるという寸法だ。
廊下側の底板の幅は約10センチ。文庫本を並べる程度なら十分役に立つものになりそうだ。
というわけで2段目完成。
外見的には1段目と2段目にほとんど違いは見られない。
3段目いくぞ!
3段目はフルバックだ。
4段目!
だんだん作業が慣れてきてスピードがあがってきたぞ!
ちょっと廊下側のほうの仕上がり具合を見てみよう。
おお、何かサイケデリックな感じじゃないか。
2段目にポコッと空間ができているね。
最上段まで完成!
奥行きがなく、薄型な本棚に見える。
廊下側も完成。最上段もリバーシブルモードで制作した。
壁なのか、本棚なのかよくわからない。そんな曖昧さがなんとも心地よい。
CDラックくらいの薄い本棚なのにバイクヘルメットもラクラク入る。
「だまし絵」のような本棚の完成である。