道路工事でよく見かけるあの「ダダダダ!」を体験!
お役所の年度末予算消化の頃、街角の道路工事現場でよく見かけるあの「ダダダダダ!」と大音響でアスファルトやコンクリートをはつり壊す、あのハイパーウエポン・電動ハンマーの使用レポートをお届けする。
電動ハンマーというとまずイメージするのが、あの道路工事に使われている縦型の「ダダダダ!」だが、実際、ホームセンターなどで売っているDIY用の電動ハンマーは電気ドリルのようなマシンガンタイプのものが多い。道路などの平面ではなく、塀などの立体物をはつることが多いからなのかもしれない。
これが電動ハンマーだ。
マキタ製の大型タイプ。このように一見するとドライバーに似ているがその動きは全く異質なものだ。
先端にはドリルピットのかわりに巨大で鋭いニードルが付いている。これが激しく前後に動き、ハンマーとしてコンクリートを粉砕する。
取り扱い上気をつけたいのが、ニードルの激しい前後ピストン運動による摩擦熱防止のためのグリース塗布だ。
右のようなチューブ入りグリースを使う。
これがグリース。アブラギッシュである。硬度の高い工業用油といったところだろうか。
このグリースを、ハンマー先端のニードルの切り込み溝(写真)に塗りこむ。
グリースを塗りこんだら、ニードルをハンマー先端の穴に入れ、写真のミサイルの先端のような部分を押し下げ、ニードルを差し込む。ミサイル先端を元にもどすと、もうニードルは抜けない。
スイッチを入れるとニードルが激しいピストン運動を開始する。先端をコンクリート壁面に押し当てると、みるみるコンクリートが削り取られていく。
実験では50角、深さ5センチの作業をなんと20分でやってしまった。
ふつうのトンカチとタガネでカンコンやっていたら何日かかるかもわからない仕事である。確かに驚異的なパワーである。
1時間ほど作業してみた。わかったことは
★いたずらに力を入れて押し当てたからといって、沢山削れるものではない。
★スキーでいう「コブ」の根元をニードル攻撃するとよい。ゴソッ! と一度にコンクリートの塊がとれた時はかなり快感だ。
★削り取りやすいところと、いくら振動させても全く削れないところがある。一箇所を深くなるまで攻撃するより、こまめにニードルを位置換えしながら突いていったほうが効率よく落とせる。
崩したときに落ちたコンクリート破片が大きいほど効率がよい。どうしたらデカイ塊ができるかを、いろいろな角度からニードル攻撃を試みる試行錯誤をすると、だんだん上手くできるようになるようだ。
電気ドリルやディスクグラインダーなどに比べ、汎用性のなさからあまり一般の人に使われるシーンの少ない電動ハンマーだが、こうして活用してみたとき、今まで考えてもいなかった活用シーンが浮かんでくる。廃材ブロックや不要になった大きな庭石など、この電動ハンマーなら数秒で小石と砂利に変えることができる。ガレージや玄関ポーチなど新たなコンクリート建築の材料や下地の割りぐり石とすることもできる。なによりこの電動工具のパワーは男を魅了する。是非一度は使っていただきたい工具である。