中学の美術の教科書にあった「シュールレアリスム」のページをご記憶だろうか? ダリ、エッシャー、キリコといったあの不可解で謎めいた作品をまのあたりにして、人生観が変わった少年少女も少なくないのではないだろうか? 人間の胸に引き出しがあったり、キリンが燃えていたり、カマンベールチーズのように柔らかくなった時計が木に干してあったり・・・・。
そんなシュールレアリストのなかにあってマグリットはしかし、登場する事物がリアルであるぶん、それらがありえない動きをすることに強烈な驚きを与えてくれる。隕石のような巨大な岩が水平線上を浮遊し、なんとその上に城が建っているのだからあなどれない。一体だれがこんなところに城を!? そしてなぜ浮いている!? そんなまともな突っ込みをもろともしない圧倒的な質感・迫力があるのが「ピレネーの城」だ。 |
なんとその「ピレネーの城」が千葉県に実在する!? という情報がカッパドキ~アに寄せられた。にわかに信じられないが、一体どんな構造物なのか、とにかく一度確認しないわけにはいかないと、千葉は内房、勝山に急行した。
今回の舞台となる千葉は勝山港。静かな漁村といった趣だが、この港内にその「ピレネーの城」があるという。あたりは切り立った崖に囲まれており、天然の軍港のようである。しかし、どこを見てもあの巨大なピレネーの浮遊岩は見当たらない。もちろん、頂上に建立された城も…城も…城… |
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おや?
城、のようなものが…そして切り立った岩! |
頂上の城が西洋の城ではなく、和城だ。これがピレネーですか!?
しかし、この切り立った岩石山の頂上に「ちょこん」と城がのっかっている様子は確かにあのマグリットを彷彿させなくもない。 |
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戦国時代には海城として本当に機能していたということだが、実際の城址はこの場所とは違う場所であるらしい。つまり、このピレネー岩(大黒山)の上にちょこんと乗っているのはダミーとでも言おうか、天守の形をした展望台ということだ。ますます怪しいスポットに見えてきた。 |
海から直接生えている島のような岩のようなもの。そこにこれまたキノコのようにちょこんと生えている城のようなもの。こうしてみるとこの空間はシュールレアリスムであることは間違いない。ピレネーの城とはちょっと(かなり)違ったけれど。 |
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