ペッパー★タツオ:コンクリートにしかできないことって何だかわかるかい?
みのみの:かたくてつめたいこと。
ペッパー★タツオ:まあそれももちろんそうなんだけど、曲面のある壁面が作れることなんだよ。木材ではなかなか大胆な曲面は作れないからね。カッパドキ~アの建築物「軟体エネルギーのファサード」はこの曲面技法をたくさんとりいれて、まるでガウディの建築物のような「軟らかい建築」を表現しているよ。
みのみの:なある! で、どうやってやわらか壁をつくるのさ?
ペッパー★タツオ:コンクリート壁を作るのには「型枠工事」が必要なんだけど、そのときに外枠となるコンパネのかわりに、曲面状に折り曲げられる「プラダン」を使うんだ。
みのみの:またそういう、ほんらいの使い方とちがう使い方をすんだから・・・。
ペッパー★タツオ:プラダンはその名前の通り、段ボールのようにコルゲート状の芯が走っているので、重いものが乗ってきてもわりとその形状を維持してくれる。だから型枠としても使えるんだよ。
みのみの:でもなんかやっぱりぺらぺら軽くてたよりなそうじゃないの。
ペッパー★タツオ:まあそうだね。なので両端はコンパネなどの木材でとめたほうがいいね。そして、ある程度の間隔ごとにセパレータを入れて、モルタルを流し込んだときにその圧力で幅が広がらないようにしておく。
ペッパー★タツオ:そしてこれがワザその2。塩ビパイプだ。
みのみの:それはすいどう工事につかうやつじゃないの?
ペッパー★タツオ:そのとおり! でも今回は水道工事じゃなくてコンクリートの型枠を押さえる、単管パイプの代わりとして使うのさ。
みのみの:だからなんのためなのさ。
ペッパー★タツオ:ふふふふ百聞は一見にしかず! これをみてごらん。
みのみの:ああっ! ぐんにゃりまがってプラダンをしめあげているじゃないの。
ペッパー★タツオ:そうそう! 鉄のパイプではこんなことはできないよね。
ペッパー★タツオ:ぐんにゃり曲がった型枠ができたら、あとはふつうの型枠工事と同じ。どんどんコンクリートを流し込むよ。
みのみの:ほほう!なかなかやるぞ、えんびかんがしめあげているので、おもくて流れやすいコンクリートが、しっかりとかたわくの中で固まっていくじゃないの。
ペッパー★タツオ:塩ビ管は細いやつがいいよ。
みのみの:そりゃーまあ、ぐんにゃりまげられないといみないんでしょうよ。
ペッパー★タツオ:あとはそうだな、型枠を外すときのポイントだけど、あらかじめ鏡面状にコート処理されているコンパネとちがって、ツルツルヌルヌルしてないプラダンはコンクリートがへばりつきやすい。
みのみの:なんか、お下品ないいまわしだわさ。
ペッパー★タツオ:なのでコンクリートを入れる前に、剥離剤なんかを塗布しておくといいかもしれないね
みのみの:プラダンにくっつきまくってしまったコンクリートは、はがすのはかなりタイヘンなのだな。
ペッパー★タツオ:で! こんなふうにやわらか壁のコンクリートの完成だ!
みのみの:なんだかんだ言って完成させちゃうんだからやっぱあんたはすごいよ。