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観音崎砲台跡 DIY建築革命団カッパドキ~ア

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磯風が優しく香るある夕方、風にそよぐ蔦に包まれるように眠るレンガとコンクリートの要塞跡。今は週末の家族の憩いの公園となっている観音崎公園の片隅に、まだこの国が若かった明治の頃、の紅く巨大な遺物が眠っている。

観音崎砲台跡01

 


明治17年竣工。東京湾側に突き出したここ観音崎は東京湾防備の重要地点として位置づけられ、日本陸軍によって明治13~28年の間に観音崎各所にレンガとコンクリートによって砲台が築かれた。写真の第一砲台をはじめ、これらの沿岸砲台は日清、日露戦争時代に服務。驚くべきことに軍籍を除籍後も保存され平成の現代まで、ほぼそのままの状態で設置されている。

 

 

観音崎砲台跡02明治、大正、昭和、そして平成の時代を超えてその荒々しいレンガとコンクリートの地肌をさらす砲台跡の連絡トンネル。いくつかははがれおちているもののかえって経年のウエザリング効果を醸し出している。

観音崎砲台跡03

我々現代の日本人とは気風が全く異なる、祖父たちの時代の日本人が作った建築物を間近でみる不思議な感覚がそこにあった。  観音崎砲台跡04

 

観音崎砲台跡 06 DIY建築革命団カッパドキ~ア観音崎砲台跡05 暗い。そして湿度を感じるこの要塞跡のトンネルは、ただ走り抜けることにも何か、畏怖や恐怖といった感覚を覚えた。今風の感覚でいえば宮崎駿映画「千と千尋の神隠し」のワンシーンに出てくる、一種異様な建築物との遭遇ということになるのだろうか?

何もかもが初めて見るものばかりだった少年時代のあの畏怖や恐怖を、この石造りの巨大要塞跡は我々に与えてくれる。

人の一生など、はかないものだ。そう感じることができる場所だ。

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