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江戸東京博物館

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江戸東京博物館01 東京は両国駅前にある江戸東京博物館である。
本来、誰でも知っているような有名建築物はカッパドキ~ア的にはあまり扱うものではないのだが、この有名な異形の建築物の意外な面白さに気づきを得たので、是非とも紹介したい気分になり、実地調査レポートをお送りした。

 

江戸時代の住民の履物である「下駄」をイメージしたといわれるこの異形な構造は、一歩間違うとダサさにつながる思い切った設計ではあるが、この建造物がこうした議論を超越しているポイントとしてその並外れた巨大さにある。

右の写真をよくご覧いただきたい。遠近法という言葉も忘れてしまいそうなほどに、人間が建物に対してあまりに小さい! 文字通り「米粒」である。

この建造物、じつは「下駄」の「刃」の部分だけでも十分都心の雑居ビル並みの大きさを有しているのだ。

 江戸東京博物館02

 

江戸東京博物館03 この異常に巨大な「下駄」にはどうやって入場するのだろうか? 答えはこれである。まるで人間の動脈のような真っ赤な管である。

無機質な下駄と、そこへ流れ込むある主、「キショイ(ワカモノ用語で気持ち悪いの意)」チューブから人間がドクドクと流し込まれるのだ。

ある意味シュールレアリスムの香りすら漂う建築思想である。

 

さらに地下へはこのようなエスカレーターで下降するための穴が複数口を開けている。地下への導入は逆に、非常に無機的である。  江戸東京博物館04

 

建物の周囲には写真のような「妙な」テントが無数に生えている。そう、まるで湿地帯に生える名もないキノコのように、こちらはまた有機的に、秩序もなく気ままに配置されている。こうした有機と無機の対比が絶妙といえる。

向こうに見えるのは両国国技館。

江戸東京博物館05

 

江戸東京博物館06 「下駄」の下に入ってみる。雨やどりをしたらおそらく日本一巨大な雨やどりということになるだろう。

この建築物を見ての感想は、有名な建築だからといって写真を見ただけで満足してしまうのはもったいないということ。現地に足を運ぶと、その建築の本当の意図、設計者が見る人に感じさせたいと意図しているものを、写真で見たとき以上に感じることができるということであった。

 

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